大人の冬酒
2021.12.11
CATEGORY:お酒
師匠も首都高を駆けずり回ると書いて「師走」と読みますが、みなさん如何お過ごしでしょうか?
B.J.コースケです。
いやー、20年ぶりなんですかね、「マトリックス」って言葉を聞くのは。
コロナ禍で二年ぐらい映画館に足を運んでいないんですが、12月に映画見るっつーのは、酒屋的に(忙しくて)
難しいンすよー。
さて、今回のブログではいよいよ発売直前となります、白馬錦/冬の季節商品「しぼりたて無濾過生原酒」と「きぬごしにごり生(にごり酒)」。
こちらの本年のデキについて迫ってみたいと思います。
例によって本稿におけるレビューは12月11日現在の印象を綴ったもので、月日が経った際に味の印象は大なり小なり変化がある事をご了承頂ければと思います。
なお、昨年度の冬酒レビューはコチラ。
■ 一見すると、かなり濃厚な甘みが伺えるが・・・? ■
それでは「しぼりたて無濾過生原酒」からテイスティングを。
・・・「芳醇な甘み」かと思いきや、どちらかと言えば「すぅ」と入ってくる感覚。
昨年までの白馬錦「しぼりたて」は、「シャボン玉風船」をイメージさせる、「丸くぽってりとした甘さ」が特徴的なお酒であるというイメージだが、このあたり、今年のしぼりたては装いが全く違う。
さながらに酒米の心白が如く、その味わいの中心部にビターな渋味があり、これを甘みで覆いつくしている感じがある。軸足の完全なシフト。
そう、グレープフルーツをサッと飲み易くしたような、そんな味わいだ。
しかし、米のお酒という事もあり、香りは少し抑え目で、米の甘さが酸味や渋味の衝撃から舌の上をガードしており、その事がスススと喉まで酒が運ばれる事を助けている。
「毛色は昨年と違うけれど、サッと飲み易く、それでいて個性感がある。」
そんな印象を抱くのではないだろうか?
■ この絶妙なトロミよ。 ■
「きぬごしにごり生」のビンに手を掛けると、かなり細かくはあるが、粉になっているワケではない・・・と言った程度の、まさにちょっと粗越しの豆乳を感じさせる粘性がある。
これはキメ細やかな上品な甘口のお酒か?・・・と思いきや、「しぼりたて」同様、味の中心部にビターな渋味があり、これを甘みで全力カバーしている質感がある。
本来であれば主役となる甘みが一点、むしろビターな渋味を引き立たせる役割に転じている。
「ヤンチャな新人主役の後ろで、今なお衰えを知らぬ大ベテランの俳優が舞台を支えている」とでも言うような、ある意味でゴージャスな内容。
(好事家に”ポンポさん”と言えば、理解してもらえるだろうか?)
ここに(本当にごく僅かだが)微発泡の炭酸が更に全体のドライテイストをよりソリッドなものにしている。
結果として出てきたのは、「大人のビター味」と言えるにごり酒だ。
「ビターな渋味」と言うと、日本酒の世界ではマイナス点として評価されがちだが、十分演出(あるいは世界観)の範囲に収まっており、何度も繰り返すが、これらのお酒は「ビターな大人の冬酒」に仕上がっている、と言える。
ちなみに杜氏いわく、「少し甘さは控えめにした」との事。
と、いうわけで、「大人の味わい」に仕上がりました、今期の「しぼりたて無濾過生原酒」と「きぬごしにごり生(にごり酒)」は12月14日の発売です!
本年も皆様のご愛飲をよろしくお願いします!!
(SNSとは連動していません)
