新しい”純米吟醸”
2022.05.20
CATEGORY:お酒
前回のブログでは「通常ラインナップの白馬錦がリニューアル」「三つの商品が終売し、新たに三つの完全新商品をリリースした」旨をお伝えした。
この「三つの完全新商品」の内、前回は「純米」酒の中身についてお伝えしたが、今回は第二弾となる「純米吟醸」についてお伝えしたい。
現在の日本酒業界にあって、「純米吟醸」は激戦区である。
大吟醸ほど高くはないが、普通酒に比べれば値段が高いというプライスゾーンという事もあり、酒質やフレーバーなど、蔵元として”やれることに”幅のある商品群である。
いわゆる「その日だけの限定品」というのも、このゾーンで販売されることも多い。
お酒屋さんで注意して酒瓶を見れば、火入れの通常商品から、無濾過生原酒などの特別品まで、実に多様な純米吟醸があるということに驚くだろう。
白馬錦の通常商品である純米吟醸「美米酒」はまだ”地産地消”という名称も世の中に無い時代から、地元契約栽培米をふんだんに用いた酒であった。
また白馬錦らしく、柔らかく、程よい甘みのある味わいであったが先の3月末を以て、終売と相成った。
「地元契約栽培米にこだわる」この美米酒は、その精神性・・・”地元産にこだわる”という点において、値段とは違う部分で、精神的なフラグシップ性を有していた酒でもあった。
そして2022年4月からは名称も見た目も内容も、全てが完全リニューアルとなる「白馬錦 純米吟醸」がリリースされた。
長年、白馬錦のミッドレンジを背負ってきた「美米酒」の後任のポテンシャルは如何なるものなのか?
さっそくその中身に触れてみよう。
■ 白馬錦 純米吟醸 ■
分類:純米吟醸 原料米:長野県大町市産美山錦
精米歩合:59% アルコール度数:15%
日本酒度:-1
1800ml/3,080(税込)
720ml/1,540(税込)
先に紹介した「純米」酒と同じデザインパターンが用いられており、純米は赤を軸にしたシンプルな装いであったが、本作は青(瑠璃色)で統一されたデザインとなっている。白馬錦ブランドで透明感のある青い瓶が使われるのは珍しい。
(吟醸酒「雪どけ吟醸」は水色のすりガラスを使用しているが。)
「どぉだ!高そうだろう!スゴそうだろう!」というものではないので、何とも気軽に手に取れる雰囲気がある。
常温から二時間ほど冷蔵庫で冷やした本純米吟醸の封を切ると、瓶の口からパアァ!と華やかな吟醸香りが広がる。
口に含むと封を切った瞬間の香りのイメージ通り、口いっぱいに吟醸香りと酸味が広がり、口の中が一気に賑やかになる。
この香りはまさに白馬錦らしい純米吟醸である・・・が、甘さとコク味が一歩控え目な印象。
いわゆる「無濾過生原酒」版のような派手さがない。
「吟醸香と酸を味全体の中心軸にした、気持ちドライな味わいの純米吟醸」といった所であろうか。
「純米吟醸無濾過生原酒」はどちらかと言えば酒単体で酒席が完結してしまう程に味わいが太いという印象があるが、本作は「純米」酒同様、「料理があることが前提」「料理に合わせやすい、料理を優先した純米吟醸」という味わいのようだ。
トマトやパプリカなど、やや風味の強い野菜を用いたイタリアンや、リンゴやイチゴなどの赤いフルーツなどとの相性が良さそうに思われる。
「純米吟醸無濾過生原酒」が「ハレの日用の純米吟醸」ならば、本作は「日常的な、洋食の席で使いやすい、フルーティな香りが高いタイプの、ちょっぴり高級酒」というキャラクターと言えよう。
その控え目なフレーバーから、日本酒になじまない人が様々な酒蔵の純米吟醸をマッピングする際の軸としても、程よいフラットな特性を持っているようにも思う。
「飾らない、いつでも飲める、呑みやすい、料理に合わせやすい純米吟醸酒」として、さまざまなシーンで重宝しそうだ。
お酒と料理に興味がある方や、飲食店のオーナー/ドリンク担当者にはぜひ一度、お試し頂きたい一献である。
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