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酒屋は写真で難儀する

2021.06.30

CATEGORY:お酒

ネタに困ってこの道十余年のベテラン。

 

 

 


■ 今回のブログ用にまずはテスト撮影してみた ■

 

<今回のブログに掲載されている写真は全て画像クリックで拡大します。>

 

 

 

 いやぁね?酒屋で「商品ポスター」ってヤツを描いてるとネ?
時々、くるま屋さんが羨ましくなるんですワ。

 

なんでかって?そりゃあ、使えるカットが多いからって言えばいいんですかねぇ?

ホラ、かっこいい車って、真正面/ナナメ前/真横/ナナメ後ろ/後ろ/ハンドルまわり/ホイールやエンブレムetc・・・って、使える絵が多いじゃないですか?
一枚絵の為の素材として、使いやすいトコロが多いっていうんですかね?

 

昨今のアルコール業界もビジュアルにはより力を入れていて、例えばドンペリさんのPVですとか、獺祭さんも協力した「HEVEN SAKE」ですとか、かっこいい絵を見る機会が増えてきたと思うんですー?

 

 

で・も・ね?

 

 

酒の”商品”って、かっこいいビンやイカすラベルが貼ってあったとしても、やはり車に比べると、”使えるカット数に限界がある”というのは、間違いないでしょう。
車というのは実用品でありながら、いわば立体美術品という側面もあるわけでございまして、いや、何と申しますかですね、こー、アレですよ。

酒のポスターを作るとき、どうしても写真は一枚必要になるんですが、「絵になっている写真を撮る」ってェのは難しいんですワ。

 

この辺り、若いころから「凄いなぁ」と思っていたのはご存じ、「いいちこ」サン。
東京で働き始めた時、電車内の吊り広告で初めていいちこの(イメージ)ポスターを見た時、すごく衝撃を受けましたね。
「商品の内容をPRしている訳じゃないけど、”いいちこがある風景”イメージを伝えている」という、一種の贅沢さに驚いたと言うか。キッチリ一枚の絵として成立している事の凄さと言いますか、まー都会には田舎には無いものが沢山あるんだなぁ、と。

つーか、ポスターだけでワンコーナー作っているいいちこサン、マジでゴイスー。

 

 

 で、コースケも無い才能と無いアタマを搾って、毎度毎度なんとかポスターに使えそうな写真を撮影したりするんですが、単に写真を撮っただけでは「使える絵」になりませんし、こー「瓶という無機物だけど、何かを訴えかけるものがある」・・・個人的にはこれを「表情を出す」なんて言ってたりしますが・・・写真なんて、プロでも何でもない自分が撮影しようとすると、そうそう撮れるものでない。
数撮って、”たまたま上手いものが撮れた!”に期待するしかないんですよ、実際問題として。

要するに、毎回毎週毎月毎年ネタに困る漫画家のごとく、「コースケも新商品のポスターを制作するとなったら、いつも困っているんだー!」というのが、今回のブログで皆様にお伝えしたい事という次第でございます。

 

ロクなもんじゃねぇ。

 

 

 

という訳でですね、今回はそんな苦悩の果てに生み出された、白馬錦のポスター用写真を振り返ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

かえるが振りかえる

 

 

 このあたりは皆様も記憶に新しいんじゃないでしょうか?

ご存じ、白馬錦のカンバン酒「普通酒」のラベルリニューアル版、「極旨口」。
ああでもねぇ、こーでもねーとライトの位置をイジっていたら、白いラベルの左側にフワッと柔らかい光が出てきたので、採用してみました。

 

 

 

 

※.現在「静の桜」は終売しています。

 

 こちらは白馬にある「白馬ハイランドホテル」様の前にある橋の上で写真撮影し、空の色味をアレコレとイジった作品。
コースケはあまり「CG的な操作」をせず、微修正に留めることが多いんですが、本作はしっかりと空/酒瓶/(画面下の)橋の欄干パートをマスキングし、色味調整した一枚になっています。

 

 

 

 

※.現在「静の桜」は終売しています。

 

 大町の川沿いにある森の中で撮影した一枚。
「酒瓶が遠くを眺めている」かのような雰囲気があるんじゃないかーと思っていますが、どうでしょうか?

 

 

 

 

※.現在「(旧版)雪中埋蔵」は終売しています。

 

 どこかの街で「モヒート」とおぼしき広告が掲げられていまして。
それをヒントに、緑を前に押し出した、清涼感のある絵面ができないかと思案してできたものがコチラ。
写真中の氷水が溶ける前に撮影を終了させなければならないのが難儀でした。
・・・氷水溶けて、まわりが水浸しになったケド。

 

 

 

 

 

 こちらはまさに現在進行形の雪中埋蔵の写真ですね。
何となく、三兄弟?のような雰囲気があります。

 

 

 

 

■ なんと、露出時間は15秒! ■

 

 「なんかこーエモい写真て撮れないかねぇ?」と、3時間ほどああでもないこうでもないそうでもなけりゃどうしましょう?と身振り手振り腰振りヘッドバンキング光源を動かして撮れた一枚がコレ。

なんと、今回のブログの為だけに撮影した撮りおろしですのよ?
ラベルの馬のシンボルマークあたりを見ていると、「何かが迫ってくる」感じがあるかな?と思うのですが、どんなもんでしょう?

 

 

 

 マンガ家や芸人さんだけでなく、酒屋もネタに困っているという一幕でした。
どっとはらい。

 

 

<今回の写真で掲載された白馬錦のお酒>

  ・白馬錦  極旨口 白ラベル 1800ml

  ・白馬錦  雪中埋蔵 1800ml

 

 

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