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酒米の様子

2022.07.19

CATEGORY:お酒

 

 

 毎度、B.J.コースケです。

 

昨今は「ゲリラ豪雨」という言葉も随分と耳にするようになりました。

去る2022年7月15日、午後3時ごろの大町市もまさに突然のゲリラ豪雨に見舞われた次第ですが、そんな豪雨の過ぎ去った直後に契約栽培米農家の方々と、今年の酒米の出来具合について打ち合わせを行ってまいりました。

 

 

 

 

 

 

 場所は大町市の山麓線沿いにあります田んぼの一角。
ここにある酒造好適米「美山錦」の圃場(ほじょう)を見学させて頂きました。

 

さて、白馬錦で使用される酒米の一部には「深水栽培(ふかみずさいばい)」とは、

 

 

 

過剰な分けつを抑えたり、茎を太くして倒伏しにくく、粒張りの良い酒米にしたり、はたまたヒエの発生を抑えるなどの目的で、田んぼの水位を一定期間深く保つ栽培法。

 

 

 

・・・の事。

 

より良い酒米を作るべく、数年前より深水栽培による酒米の栽培と、それを用いた酒造りを(一部の酒で)行っております。

 

 

 

 

 まずは深水栽培を「していない」圃場から。
一見すると、パノラマ状に青々とした稲穂が規則正しく、華やかに並んでいるように見えます。

 

 

 

 

 水の入り具合を見ると、こんなカンジ。
ゲリラ豪雨直後に撮った写真の為、どうしても水が濁っていますが、それを差し引けば全体として綺麗に見えます。

 

 

 

 

 コチラは深水栽培を「している」圃場の根の部分。
ちょっと藻が出ている?ように見えますが、これが「土の下にある雑草にまで日光を通さないので、雑草を除去する労力が少なくて済む」との事。

 

 

 

 

 稲穂の中から一本だけ稲を取り出し、二つに割ってみると、オオ、既にお米自体の姿がハッキリと出ています。
農業改良普及センターの方いわく、「今年はかなり生育が早い」とのことで、通常よりも大体3~4日分生育が進んでいるようです。

 

なので、このペースでコトが進むと、ところにより8月の下旬には稲刈りをしなければならないとの事。

 

 

 

 

 さてさて、深水栽培を「している」圃場の全体を見ますと、こちらもド迫力の稲穂群。
パッと見に「深水栽培をしていない」稲穂と大きな違いは無いように見えますが・・・

 

 

 

 

左は「深水栽培をしていない」稲穂。
右は「深水栽培をしている」稲穂。

 

 

 

 稲穂を一つ取って比べてみると、その差は歴然。
かなりその太さに差が出ています。
稲穂が太いという事はそれだけ実の大きい酒米が出来る・・・クリアな酒を造るに必要な酒米の中心部分「心白(しんぱく)」の領域をより大きく取れる事を意味します。

 

 さて、何かと良いことづくめかと思われるこの「深水栽培」ですが、どこでも可能かというとそうではなく、土手の部分の厚みがなかったりすると決壊してドえらい事になったり、水量が少ない地域ではそもそも現実的に水が足りなくなってしまうといったデメリットもあります。

そういった意味からすれば、大町市/常盤界隈は恵まれた土地であるともいえます。

 

 

 全体的に「生育はやや早いものの、総じてイイ感じに推移している」ということで、まずは一安心。

どうかこのまま美味しい酒米が出来上がってくれることを祈るばかりです。

 

 

 

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