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青信号とカプサイシン

2022.05.26

CATEGORY:お酒

 最初に断っておきたいが、今回の本ブログは駄文である。
結論らしい結論はあんまり無い。

日本酒業界に流れる一つの問題について、思ったことをつらつらと書いてみただけの話である。
更に生来の頭の不出来さ故に、文章にまとまりがない事も付け加えておきたい。

 

電車が発車するまでの間や、注文した酒、ラーメン出てくるまでの時間にご覧いただければ幸いである。

 

 

 

 



 

 

 

 こちらのサイトで日本酒の「辛口」における論考を拝見した。

 

 

「辛口ください」問題、令和で清算しましょう – 私の「辛口」論

 

 

 古代から現代までの、なるべく「辛口」にまつわるネタを網羅し、「日本酒業界における”辛口って何なの?”論」について、今現在述べられる事例をかなり列挙しているように見える。
その内容について、時に「辛口のお酒って、どれですか?」と問われることもしばしばの現場スタッフのひとりとして、同意できる所は多々ある。

 

 

 先の論考の一部をピックアップすれば、

 

 

1.「甘くない」という表現としての、「辛口」。
2.唐辛子の「辛い」が広義に使用されている。

 

 

という点に注目したい。

 

 

 

 我々は信号機を見た際、「緑色の信号」を「青色」と表現する。
「緑色なのに青」と表するのは当然オカシな話だが、既に一般的に認知されている言葉なので、それで特段疑問に思ったりしない。

 

また、先の論考中にも、

 

 

(※1)西日本などでは「辛い」から「塩辛い(しょっぱい)」の独立が遅く、地域や世代によっては現在も「辛い」が塩味を含むことがあります。

 

 

という記述がある。

 

つまり、「AをAと表記せず、Bと表現する」ことは世の中にしばしば存在する。
そもそも何故、このような現象が生まれるのだろう?

 

「AをAと言えばいいのに」。

 

 

 

 

「AをAと表現しない」理由。
それは「Aがまだ存在しないから」あるいは、「Aが一般的ではないから」だ。

 

 

 

 

 先の「塩辛い」について言えば、世の中に形容詞の単語が乏しい時代/存在しない環境で、「舌がビリビリするのは唐辛子も塩も同じだが、その中身が違う」場合、無理をして何とか「塩をたくさん口に含んだ際の、舌がビリビリする状態を人に説明しようとしたら」、「塩辛い」という言葉が出てくる可能性は大だし、一定の納得感がある。
「しょっぱい」は「塩をたくさん口に含んだ際の、舌がビリビリする状態を塩専用で示した単語である」ということを説明し、共通の認識として用いられないのなら、やはり「塩辛い」という単語で説明するより他にないだろう。

 

 

 「甘くない酒」を、現代ならば「ビターテイストな味わい」と表することも出来ようが、「これはビターテイストな日本酒ですよ」と言われると一瞬、その味わいを創造できない。
「ビター」という言葉にまだまだ慣れていないからだ。

つまり、日本酒業界にはある意味において、まだ形容詞「A」が存在しない or 存在はするが、共通認識として用いられていない、という事ではないだろうか?
それであるがゆえに無理をして「B」、本文でいう所の「辛口」と”いうほか(単語が)無い”という状況が発生している。

 

じゃあ、「甘くない日本酒」を「ビター」とか、「ドライ」って形容詞を使えばいいのか?と言うと・・・どうなんだろう?
慣れていないせいか、しっくりこない。
少なくとも日本酒にあまり興味がない人に「これはビターテイストな日本酒ですよ」と言ってその中身が通じるだろうか?
「ドライな味わいです」と言おうものなら、キョトンとされてもおかしくない。ポプテ最高。

 

 

 

 要するに、「日本酒の辛口表現問題」の原因のひとつは、「真にその状況を表す単語が無い or 単語はあるが一般的に使われていない」事にあるのではないかと思うのである。

 

ただ、「辛口の日本酒だからといって、唐辛子やカプサイシンが入っているわけじゃない」という一点においてのみ、少なくとも業者からの同意は得られるものと思っている。

 

 

 

 

 

   

 

 

 ちなみに弊社では「辛口のお酒が欲しい」と言われたら、基本的に「超辛口・黒ラベル」、「純米辛口原酒 氷筍酒」をオススメさせて頂いております。マル。

 

 

 

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