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酒屋の図画工作事情

2022.10.01

CATEGORY:日常

 小学生の頃、コースケは何となく図画工作的なものは比較的得意で、5以外の成績って、あんまし取ったという記憶がない。
が、子供心ながら「図画工作の成績が良くて、将来役に立つものなんだろうか?」と、疑問にも思ったものである。

 

んが、いざ酒屋という企業に勤めてみると、かなーり図画工作に関するスキルは必要とされるシーンが多いものだと、つくづく思うワケなんですね?

「酒屋で作るもの」というと、お酒ばかりに目がいきがちですが、イヤイヤ、それ以外にも色々とあるんですよ!?

 

 

と、いうわけで、今回のブログでは、日本酒蔵における、図画工作事情(?)について迫ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

1.酒瓶の写真

 

 酒屋の図画工作事情中、基本中のキである。

新商品発売の際は、一般の方の目に触れる前にまずは問屋などへ告知しなければならないので当然、商品の姿カタチが分からなければならない。
その際は必ずしもキレイである必要はないのだが後々、WEB上や一般小売店を経て、一般消費者の目に触れることになるので、結局はキレイに写真撮影できた方が良いのである。

 

 

 

 

2.商品ポスター

 

 「酒瓶の写真」は「姿かたちが正しく認識できる画像」が要求されるが、商品ポスターは大なり小なり、「飾らないと」成立しない。
今風に言えば、エモくなきゃイカンのである。
「酒瓶の写真」とは別の形で、エモいスキルが要求される。
また、ある程度の「美辞麗句」が必要なので、リリカルでセクシーかつ、ギャラクシーな、それでいてビターマイルドなポエムスキルが要求される事も忘れてはならない。

 

端から端まで、気が抜けないのがコイツである。

 

 

 

 

3.パンフレットとプライスカード

 

 実際の商品販売の際に不可欠なものである。
パンフレットは新規開拓の商店だけでなく、酒イベントや既存店舗で必ず必要となる。
プライスカードもお店で商品を置いてもらった次の瞬間には、かなりの度合いでこのプライスカードが要求されるケースが多い。

どちらも絵ヅラ的には地味な部分もあるが、配布物でもあるので、製造量が多い事も特徴的。
いわば「頼れる裏方」さん的立ち位置である。

 

また、商品ラインナップの変更時や、値段変更、税率変更の際にはかなりの部分に修正がかかるので、”手数が”必要となるのがコイツである。

 

 

 

 

■ 開催に至らず・・・ ■

 

4.酒イベント用ポスター

 

 コロナ禍で日本酒に関係したイベントは自粛が続いているが、そうでなければ日本酒イベントは全国各地でなんだかんだと多く開催されているものである。
県レベルのイベントもあれば、地域レベル、ホテルの大ホール貸し切り、お店貸し切りと、その開催規模はかなり幅があるが、いずれにせよ告知が必要であることに変わりはない。
そんなこんなで、割と「イベントポスター作って!」といったケースは案外と多かったりする。

当然よそとの兼ね合いでネタがカブりやすいので、どういう絵にするか困りがちである。

 

 

 

 

5.イベント用商品POP

 

 酒イベントの際は大体、3~5アイテムを並べるケースが多く、それぞれの商品概要や値段を告知できるようなPOPを作成するのが普通。
大体は保管している画像データを繋ぎ合わせて作ることが多いが、突貫工事で作るケースが多いので、一種の瞬発力が求められる。

 

 

 

 

6.商品ラベルデザイン

 

 これは殆どのケースでお抱えのデザイン会社に発注することが大半。
言うまでもなく「商品の顔」となるので、その品質は高いものが求められる。
が、あまりにもアヴァンギャルドし過ぎると、日本酒と認識されなくなるキライがある事や、そもそもカテゴリとしての歴史が長いという所もあり、「どーいう絵ヅラにするか?」とシンプルでありながら、そのゴール地点が遠いのが難点。
「酒蔵の図画工作」制作物の中で最も”悩む時間が長い”のはコイツであろう。

 

また昨今では「ラベル」ではなく、「瓶の形状」まで手が及ぶケースも見かけられる。
単に酒の味のみならず、その商品的見栄えにもハイレベルな品質が求められるので、何とも悩ましい限り。

 

飲食店に行くと、時にそのお店の名前がラベルになっているオリジナルブランドの酒が置かれているケースが散見されるが、その場合は蔵元の自家製であるケースが多いのではないかと思う。

 

ちなみに、一般的な720mlスリムボトルにおけるラベル面積はおよそ11×11cmで構成されることが多い。

 

 

 

 

■ 珍しく、常務の作。 ■

 

7.テーブルセッティング

 

 「インスタ映え」なるワードが出てきて数年、その重要度が増してきたのがこの「テーブルセッティング」である。
写真撮影のウデマエが要求される事のみならず、オイシソーッ・・・!な料理もセットにしなければならない関係上、かなり制作ハードルの高い案件となる。
これがサラリとこなせるようになったら、かなり重宝がられるのではないだろうか?

 

ちなみにコースケはコイツが苦手である。

 

 

 

 

8.グッズ関連

 

 お店で販売するものならば、お抱えのデザイン会社に発注することが殆ど。
ただし、酒イベントによってはデザインを自家製で作ることもある。
人の目に触れる機会は必ずしも多くはないが、「目に触れる期間がやたらと長い」(在庫が捌ける or イベントが終了するまでの間)のが特徴だろうか。

 

 

 

 これ以外にも昨今では動画制作まで視野に入ってきており、「んMOWなんなんだねん!ウチは広告会社やあらへんで!ウチは酒屋やで!?」と言いたくなる位に必要とされる酒屋の「図画工作」案件事情。
近年はますますその幅が広がっており、酒蔵の規模などによっては専属デザイナーがいることも決して珍しい事ではない。

 

 

 デザイン的なナニガシに関係のある方々・・・幾つかの試作品を作成し、蔵の扉を叩いたら、ひょっとしたら仕事になっちゃうかもしれないですよ?

 

多分、きっと、案外、割と。モニョモニョ。

 

 

 

そんなこんなで、「酒屋は図画工作スキルが案外と必要とされる」というお話でした。

 

 

 

酒造り