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チタングラスの彩りは

2023.01.20

CATEGORY:お酒

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 それはたまたまネットを見ていた時の事。

プリズムの、七色に光るグラスが目に飛び込んできたのは。

 

 

< PROGRESS |宇宙開発技術が美味しくする。ジュエリーグラス >

 

 

 

 

 

 

 このグラスは何でも、「高電圧とプラズマによりチタン分子をガラス表面に時間をかけて積層して作られるグラス」との事。
そしてこの「ナノレベルでの積層が、キラリと光る虹色を演出し、味はまろやかになる」ようです。

 

その鮮やかな見た目と、まろやかになった酒の味わいが、豊かなひと時を演出するチタン”アート”グラス。

 

・・・との事で、さっそく試してみる事にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 今回購入してみたのは、Gender-Silver/ダンシングワイングラス という商品。

 

もちろん他にも色々な形のグラスが展開されていますが、今回は何となく可愛らしい見た目にひかれてコチラをチョイス。

 

 

 さて、今回試飲に用いるはここの所、静かな人気を呼んでいる「白馬錦 純米酒」
また評価基準として、白馬錦の名入り冷酒グラスを用いてテイスティングしてみました。

 

 こちらの冷酒グラスは飲食店など実際の現場で用いられていることも多く、ある意味弊社にとっては「現実的な、業務用メイン酒器」といった立ち位置の酒器でもあるので、今回のブログでは陶器の平杯や、飲み口の太いお猪口はパスしました。

 

 

 

 というわけで、まずは冷酒グラスで、白馬錦の純米酒を試飲。

 

米由来の甘みとごく軽い麹香の香りを主軸にして、程よい旨味の広がりを感じると共に、スッと口の中に入ってきます。

杯を重ねるとじゅわりとした旨味が顔を覗かせはじめ、肴をしかと受け止めるミドルなボディ感を感じさせます。

 

また、燗酒などで感じるアルコールのキツイ発散などは皆無。

 

香りで飲ませるタイプの酒ではなく、また風変わりなフレーバーがあるわけではないので、華やいだ酒という事はありませんが、「これぞ純米!これぞ日本酒!」然とした味わいがあります。
極端なキャラクター性があるわけではないので、和食全般に合うお酒であるとも思います。

 

改めて日本酒の味わいを学ぶ際の、ひとつの基準にもなるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 さて、それでは今回のダンシングワイングラスで試飲してみましょう。
その前にまずは開封の儀。

 

 

 

 

軟式野球ボール位の大きさのものが入っていそうなサイズ感。
シンプルですが、程よい高級感を感じさせます。

 

 

 

 

ご対面。

 

 

 

 

中にはグラスと商品説明、簡易コースターが付属しています。

 

この製品の場合、「Gender-Silver」なので、七色のプリズムではなく、金属と硝子を半々で混ぜた、彩度がかなり低い、グレイッシュ・マジョーラカラーといった色を呈しているようです。

 

見る角度や、その場の光の量で黒の発現率がかなり上下します。
グラスの端々でスッと光るプラチナカラーが、えも言われぬ高級感を醸しています。

 

それでは一献。

 

 

 

 

 

 

 

硬い!!

 

 

まさにグラスの見た目通り、ある種味わいが「日本刀化」します。
味や香りがすぼまり、雑味が除去された状態と申しますか。

 

公式WEBには

 

「グラス内面に純チタンが施されていることにより活性酸素作用により雑味を分解し、味がよりまろやかになる」

 

とありますが、今回の試飲では「まろやかに」ではなく、「ソリッド感」に味が傾いたようです。

 

個人的な感想としては、スズちろりで燗つけしたような時の「まぁるくなる感じ」とは逆の質感を感じました。
半面、金属そのもののお猪口などを使用すると感ずる「鉄分感」も感じることはありません。

 

 

雑味・・・というよりは「諸味」というべきでしょうか。
「味や香りに関する微量な成分はある一定の閾値以下の場合、チタン成分の除去作用が働いて、それがソリッド感を演出している」といった印象を受けます。

 

 

ただ、このあたりは酒質によりけりかと思いますので、お酒によってはまろやかになるのでしょう。

 

 

 

 今回は「日本酒メーカーから見た、PROGRESSグラス」と言う内容なので、どうしても”味への変化”に対して言及しがちですが、本グラスの魅力はその見た目の鮮やかさがもたらす、「神秘的な彩り」が大きなウリの一つです。

試飲している中で、「これは薄暗い部屋で杯を重ねていたら、その彩りも楽しめるに違いない」と感じた所が大きくありました。

 

 お酒は味が最も重要な要因でもありますが、それ以外の食べ物や酒器、場所や環境も味わいに大きく作用を及ぼします。

 

何かと「どの酒蔵の、どの酒がウマい!」といった事が話題になることは当然ですが、時にこういったグラスを用いてお酒を口にしてみると、これまでとはまた違った雰囲気がその場に現れます。

 

 

 

まさに「彩りある酒席を」

 

PROGRESSグラスはそうした酒席の一助になると感じた今回でした。

 

 

 

 

■ Photo BY : B.J.K. ■

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