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田舎のDX事情

2023.02.14

CATEGORY:日常

デジタル化はいいが、デメリットは無視か?

 

 

 世の中「DX」である。

 

いや、超合金の方じゃなくてですね?

 

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の方の話。

 

 

「ペーパーレス」が叫ばれて既に30年は経過してるんじゃないか?と思うが、ようやくここに来て「マトモなペーパーレス時代が来た」感じは確かに、ある。
TVを付けると、「今までの無駄なオフィス仕事は全部ITで処理しましょう」といった謳い文句で、DX関連のサービスを目にすることも増えてきた。

 

少なくとも、「エクセルの表がFAXされてきて、これを手で移植入力する」などと言うブルシットジョブは平成時代でこの世から消えていると思っている。そう、信じてる。

 

 しかしながら、企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えておらず、元号が平成から令和となった現代にあっても、時として手書きの請求書を受け取る事もあるというのが、田舎の事情である。

 

ChatGPTだMETAだ量子コンピューターだと、テック業界は次世代の新技術に沸いているが、田舎は未だ表計算あたりの話で云々と騒いでいるのである。

 

そんな事情もあり、「書類の電子保存」といった所で、「なんだそりゃ、食いもんか!?」という流れになるのは無理もない話であろう。

 

 

 

 さて、DXの一端「書類の電子保存」の中に、「アナログ書類をスキャンして、デジタルデータで保管」という言葉も出てくるが、これも案外と難儀なハナシだったりする。
何故ならば、「書類のフォーマットとサイズが企業によってまちまち」だからだ。

 

「届いた納品書や領収書を一カ月分まとめて保管してから、どこかのタイミングで複合機でガーっとスキャンすればイイじゃない?」と思ってしまうが、複合機の差し込み口でサイズも用紙の向きもバラバラの書類をまとめてスキャンすることは出来ないのである。

勢い誤って実行しようものなら、後で複合機のコールセンターに電話をかけることになり、結局半日ムダにする可能性だってゼロじゃない。そもそも請求書がグシャグシャになる。

 

と、なると、一枚一枚手で書類をスキャンするという、さながらにして、テスト前に大学生協の入り口に設けられたコピー機群を前に、先輩から受け継がれし過去問題集をせっせとコピーしまくるという、青春時代を彷彿とさせる例のアレを今一度行うハメになるのである。

 

そうは言っても、この膨大な書類の為に、逐一複合機の蓋をパカパカといわすのは何とも忍びない。そうなってくると、「一枚一枚の書類を写真撮影して画像を保管するのが、妥協案じゃないか?」と思うが、これも問題があって、「用紙のまわりのムダな部分をカットする」作業が待ち受けるのである。

 

「やーもーメンドクセェー!」のだが、そこは令和の現代。
有り難い事に、「書類をスキャンするのに都合がイイ」機械やらプログラムやらが存在するのである。

 

と、いうわけで、ようやく今回のブログの本題。

今回はお手持ちのスマホを用いて書類を電子ファイル化するという、コールセンターいらずでお財布にも優しい、ステキな方法をご紹介したい。

 

 

 

 

 

60分クッキング(当社実績値)

 

■ 作業場例。明るい場所なら専用の照明器具は不要 ■

 

 

 それでは早速、スマホと三脚、テーブルをご用意頂き、スマホには文書スキャンアプリを予めインストールして頂きたい。

ちなみに本稿では、文書スキャンアプリに「MicroSoft Lens」を使用している。

 

撮影の前準備として、「色付きのテーブルに書類を乗せる」というのがポイント。
白い用紙に対し、白のテーブルだと境界線の読み取りが困難になってしまうことを覚えておこう。

 

 

 

 

使用方法は簡単。
まずはアプリを立ち上げ、書類を撮影(スキャン)する。

 

 

 

 

通常、書類が一枚だけという事もないかと思われるので、「追加」をタップし、二枚目以降のスキャンを行ってゆく。

 

 なお、この撮影時について、アプリに詳しい人だと「iPhoneだったら、”メモ”アプリがあるじゃん?」と仰る方がいるかもしれない。iPhone付属の”メモ”アプリの場合、シャッターは自動で切られるので、大変便利なのである。

だがしかし、”メモ”だと案外、意図としないタイミングでシャッターを切られることがあり、撮影された画像に不満を覚えることも時々あったりする。

この場合は、「自動」から「手動」へモードを切り替えればOKだ。

今回はLensを使用しているが、写真撮影してPDF化できれば何でもOKなので、このあたりはお好みでチョイスされたい。

 

 

また、書類は縦長 or 横長 のものがあるが、ひとまずここは中の文章の向きは無視して、「用紙の縦長で揃えて写真撮影」すると良い。後々、Acrobat > ページ整理 で用紙の向きを一気に変更することが出来る。

 

 

 

 

スキャンそのものが完了したら右下の赤丸を押下。

 

 

 

 

「完了」を押して・・・

 

 

 

 

「PDFに保管」。
ここまでの処理で「元素材」は完成。

 

 

続いて、PDFをAcrobatに読み込ませ、全体を整える作業に入る。

 

 

 

 

書類の向きがバラついている場合はまず、Acrobat上で「用紙の向きを変える」事により、きちんと文字を読める状況にする。

 

 

 

 

「スキャンとOCR」>「テキスト認識」>「設定」はあくまで筆者の好み。マスター文章はイジるな置き換えるな、という意図がある。】

 

 

 

 続いて、このPDFファイルをPCに落とし込み、OCR処理を行う。
「OCR処理」とは要するに、「画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する」事を指す。

 

これによりデジタル書類のキモである、「文章を検索できるようになる」
この処理が極めて大切で、この処理をしなければ結局の所、一枚一枚内容を確認しなければならなくなり、PCを使用する意義はかなり薄れてしまう。

 

ただしOCRも万能ではなく、イラスト文字や細かい文字などは認識しないので、その点は考慮して使用(検索)しなければならない

またOCRの処理自体にちょっとばかり時間がかかるので、この処理を行う際はお茶の時間前か、お昼休憩前に行うのがベターである。

 

 

 

<TIPS>

 

 1.写真撮影時、多少の角度ズレは無視して良い。補正はかなり強力に効く。
 2.スキャンする書類数が多いと、「もう保管できない!」と言われる事もあるが、この時はひとまずファイルを保存後、再度撮影し、Acrobat上でファイルを連結すればOK。
 3.文章は後々連結できるので、取り忘れがあっても大丈夫!
 4.OCR化を行った後、検索窓枠の右側にある”ギア”をクリックし、(詳細な)検索モードに入った後、「以下の場所にある全てのPDF文章」をオンにして検索すると、意図とする範囲の全てのPDFの中身を検索できる。
  早い話が、「PDFの中にあるA社に関する書類を全部表示して」というオーダーが出来るようになる。

 

 ※.Acrobat中、「スキャンとOCR」>「補正」で、画像中の無駄な余白の除去と、角度補正機能があるが、これはかなり時間を取られる事もあり、予め写真撮影時にこれらトリミングと角度補正をしておいた方が、トータルでの時間は短くて済むと思われる。

 

 

 

以上、ささやかな内容ではあるが、本稿が貴社の事務仕事に少しでも寄与することがあれば幸いである。

 

 

酒造り