le lac #3
2022.03.30
CATEGORY:お酒
長野県の蔵元、(株)薄井商店が送る新ブランド「le lac(ル・ラック)」。
今回のブログでは前回に続き、リリース第三弾となる「純米吟醸 無濾過原酒(生) 秋田酒こまち 仕込み」の味わいについてお伝えしたい。
なお、le lac を総合的にご紹介しているのはコチラ。
さて、ここまで二回ほど「le lac」の味についてお伝えさせて頂いたが、この第三弾は本ブランドにとってまさにターニングポイントとなる酒である。
何故か?
使用する酒米が「長野県産米ではない」からである。
このlelac 第三弾に用いる酒米は「秋田県産 秋田酒こまち」。
これまで薄井商店がリリースする日本酒はほぼ地元県産の酒米によって醸されているが、今回のle lacでは「技術的チャレンジ」という側面もあり、県外産米にトライしている。
「よそのエリアの酒米を用いる」というのは日本酒業界において必ずしも特別なハナシではないが、白馬錦フリークの方からすればこれは「ちょっとした事件」であると言える。
と、いうわけで、これまで長野県産米(と言うよりは、”地元米”)でその腕を振るってきた松浦杜氏が醸す、他県産米による酒はいかなる味わいに仕上がっているのか?
さっそくその中身を見てみよう。
■ le lac 純米吟醸 無濾過原酒(生)
秋田酒こまち 仕込み
原料米:秋田県産 秋田酒こまち 精米歩合:55%
Alc:15.6% 日本酒度:+0.5 酸度:1.5
「何という艶やかさ!」
口にした時、その酒米の甘みを覆うが如く、さながらゼリーを連想させるほどに「米の表面が透明な何かで包まれている」映像を喚起させる艶っぽさを強く感じる。
この甘みと艶やかさに加え、酸味が穏やかという事もあり、「すうううー」とした、とても伸びのある質感が味の全体像として浮かび上がってくる。
「艶のある純米吟醸」。
まさにこの一言に集約される味わいであり、「複雑さ」といった評価よりは、この伸びやかなフィーリングを楽しむ一杯に仕上がっていると感じる。
米自体のポテンシャルや特性もあろうが、松浦杜氏の感性(杜氏が得意とする、味付けの方向性)とも上手くマッチしているようにも思う。
美山錦だとある程度、酸味といった部分で味の厚みを稼いでいる部分もあるが、そうした味の厚みよりは、「なめらかな味わいの吟醸酒」をお求めの方にはベストマッチの一品であり、まさに「日本酒好きの女性がワイングラスで飲む日本酒の味わい」といったシーンに適している。
過去の「白馬錦」ブランドでも、艶気を湛えた季節酒は何度かお目にかかったが、ここをメインにクローズアップされたお酒は今までになかったのではないだろうか?
「白馬錦」との変化を知るにあたり、要注目の一杯である。
※.「le lac」は白馬錦WEBで販売しておりません。
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